航海図なき海外市場への参入は負け戦です。
人口減少が顕在化してきた日本。今後、加速的に国内市場は縮小していくことが誰の目に見ても明らかになり始めています。10年もすれば、日本国内だけでの企業運営は破綻する可能性が高くなって来ています。
激しい競争、複雑な法規制の日本市場だけで企業の生き残りを考えることは難しく、もはや海外進出は避けては通れない選択肢となりました。
特に、私達が拠点を置く関西から近く今後も経済成長が見込める東アジア、東南アジア、オセアニア地域を自社の成長戦略の中に位置づけることは大変重要なことです。
このように考えるとすぐにでも海外への参入を行うことを短絡的に考えてしまいがちですが、海外市場は国内市場とは格段に様々な障壁があることも理解しておかなければなりません。
数え上げれば限がないぐらい多くあります。
例えば、第1に言語の問題。多くの日本人は先ずは英語が出来れば何とかなるだろうと考えがちです。確かに最低限度、英語ぐらいは読み書き、そして話せる事は必要です、しかし、東アジア、東南アジアでは、英語がビジネスシーンで使えない場合が多くあります。つまり、現地語しか話せない、読めない場合も多く出会います。現地の大企業の方々は教育水準も高く英語に堪能な方も多いですが、安い労働力などを視野に入れる、あるいは事業規模が中小であるなどを考慮すると途端に、英語は通用しなくなります。
第2に通貨の問題。日々刻々とかわる為替レートにより想定していた利益がどんどんと変化をして行きます。このようなことも国内市場だけであれば考慮する必要がありません。
先の経済や政治の動向を予見し、想定レートを予測した計画が必要となります。或いは、為替予約などの制度を使用することも検討する必要があるかもしれません。
第3に習慣・宗教の違いの問題。この問題が最大の課題かもしれません。日本にいるとほとんど気になりませんが、世界では日本では常識だと思っていることが、相手に対して失礼になるなど山のようにあります。また、宗教に対する意識も大きく違います。このようなそれぞれの国の特異性(日本と比較した場合)をキチンと把握した上で、進出していくことが必要です。
それでは海外で一定の成功をなし得るためにはどうしたらいいのでしょうか?
その為には、先ずはどのような目的で、どのように参入し、どのように運営していくのかなどの航海図をキチンと設計することが大切です。この航海図がなければ、世界の流れに流されてしまい、結果、失うものの方が多いのも事実です。 航海図をいかにしっかりと作りこみ、その過程でその中に多くの変数や不測事態を考慮しておくかなどがポイントになります。この様な航海図を設計していく為には、自社内だけのリソースでは絶対に不可能です。このことへの理解は大切です。失敗の確率をできるだけ最小にするためにも、国内の知恵者、先達、進出先国での信頼できるパートナー、これらの人々と議論を重ね最良の航海図を設計することが最良の近道となります。
私たちは、これから海外へ進出しようとしている企業の皆様の良き知恵者であり、進出国の信頼できるパートナーと一緒に貴社の海外進出を支援しています。